詩『家族』
(裏テーマ・言葉にできない)
「どこが好き?」
「目?かな、声も」
「それだけ?」
「顔も、性格も、ぜんぶ!」
彼女は、口を開けば人の悪口ばかりで親友の悪口も僕にするのでいつも対応に苦慮している。だって肯定もできないけど否定したら嫌われそうで。
本音をさらしてくれるのは嬉しい。
「あの子、どう思う?」
「優しくて、親切で、いい子だよね」
「わかってないなー」
「えっ?」
「あれは全部計算。男は馬鹿だよねー」
あの子とは彼女の1番の親友だ。
たまに質問攻めにあい、コテンパンにやられる。
それでも僕は彼女を尊敬してる。口は悪いけれど言ってることは間違っていない。
たぶん、親友には僕の悪口をたくさん言ってるだろう。できれば楽しそうに話してほしいな。
彼女の家は複雑だ。
だから、僕からはいつもその話題はさけている。
母親は病気で詳しくは知らないが重いらしい。父親はそんな状況でも留守がちで彼女は浮気を確信してる。姉は逃げるように都会で一人暮らし。弟は反抗期。
彼女の口の悪さは家族の話が1番ひどい。
初めはうっかりアドバイスをしてしまったが、すぐに気づいた。これは家族への愛情を僕にぶつけているだけなんだと。
そう、言葉にできない、愛なのです。
彼女は今日も絶好調。
悪口ざんまい、パチンコのフィーバー状態?って知らんけど、質問攻めも機関銃撃ちまくり。
それが幸せそうで、僕も幸せになる。
いつか彼女と、家族を作りたい。
4/11/2024, 8:12:47 PM