特別な存在
「誰か!この人を捕まえて!!」
その叫び声で我に返り、俺は一目散に逃げ出した。
くそっ、俺は何を考えていたんだ。
見知らぬ通りすがりの奴に転ばされ、拘束されているうちに、叫んだ女が駆け寄ってきた。
ああ、人生終わった。
諦め、力を抜いた時に女は変な事を言い出した。
「あのっ、悩み事を聞く事だけなら出来るので…私にお話を聞かせて頂けませんか?」
は…?被害者が何を言っているんだ?理解出来ず、目を丸くしていると、突然俺の目から涙が溢れた。
もう我慢しなくて良いのだと…。生まれて初めて嬉しくて泣いてしまった。
3/23/2024, 12:52:54 PM