言葉にできない……
ハイジとおじいさんが山小屋で作った
干し草のベッド。
気持ちよさそうなあのベッドで眠るのが
長い間、私の夢だった。
今、私は介護施設で働いていて
利用者さんのベッドを作る。
私はベッドにシーツをかけるとき
いつもハイジのあのシーンを思い浮かべている。
ハイジの小さな体がふわっとして
シーツが干し草にふんわりかかる。
そういうベッドに利用者さんを寝かせたいのだ。
あるとき、私がシーツをかけていると
通りかかったスタッフが
言葉を失い、私の動きを凝視していた。
ああ、この人には伝わった と思った。
施設での生活は楽しいものではないだろう。
気持ち良いベッドは
わずかばかりの慰めになるだろうか……
4/11/2026, 11:40:05 AM