芝生に寝転んで空を見上げてみたいという、ささやかな夢が叶った。
クッションのような雲がゆっくりと流れてゆく。
隣にいる君は、空に溶けてしまいそう、と。
あてもなく伸ばすその手を見習って、自分も空へ手のひらを掲げた。
このまま吸い込まれそうな気分だ。
でも待てよ、逆に手が吸い込むというのも面白くはないか?
ふとそんなことを思い立ち、未だ雲を掴むそぶりをしている君にアイデアを話してみる。
こんなにも大きな空を吸えたなら何だってできそうね!
もう君が大空で間違いないや。
「大空」
12/21/2023, 4:42:03 PM