──暗く沈んだ、明けない夜を駆け抜けて、
きみを、ずっと、探し続けている。
段々とすり減っていく靴底。
旅を始めてから、どれだけの時間が経ったんだろう。
きみを奪われた日から、どれだけ経ったか。
頭に焼き付いたあの日の光景。
焼き付く炎の香り。舞い上がる火の粉。
喉元に突きつけられた、冷たい刃。
歪む視界に写る背中、
きみの諦念と懇願を秘めた声が、祈るように地に落ちた。
守ると誓った。
それなのに、私を守って、きみは。
今でも鮮明に思い出せる感覚に息が詰まって、
浮かぶ暗い思いを振り払うように深く息を吸った。
いくら苦しくても、迷ったって、今は前だけを向くんだ。
過去の後悔も、今の不安も、
すべてを前へ進む追い風に変える。
いかなる困難だって乗り越えてみせる。
流れ落ちる星に祈りを篭めて、
淡く照らす月に誓いを立てた。
奪われた唯一を取り戻す、その決意を。
消えぬ篝火、絆の形。進む勇気は、楔はそこに。
結末なんてわからない。奇跡はないのかもしれない。
それでも、どんな終わりを迎えたとしても、
あの場所へ辿り着くと決めたから。
ずっと歩み続ける。
きみを求めて、もがいて、進む。
いつか来る、夜の果てへ──!
11/13/2025, 3:47:26 PM