後悔
「今更だよ」
諦めているような、冷たくて悲しそうな声が
自責に潰された心に刺さった
私は、また何の役にも立てなかったんだ。
「酷いね、信じてたんだけどな」
信用があった分の失望を感じた
戻らない、取り返せないことを知った
あの時、やるべきだったこと
あの時、できなかったこと
あの時、判断したこと
あの時、ばかりで
もう、後の祭り。
ごめんねで許されたら
警察も医療機関も何もかも要らないんだ
色んなものを失わせた落とし前を
どうつけたらいいんだろう
泣きたいのはそっちだよね
「もういいよ、やり直そう?もう一回」
底無しに優しいあなたは
そっと手を差し出した。
情けなく私はその手に縋って
ふたりで、真っ暗な世界に飛び込んでいった。
「ありがとう」
「次こそ、成功させようね」
轟音とヘッドライト、点滅した信号灯、宙に浮く体
目を見開いて叫ぶドライバー。
もう、がっかりさせないよ。
5/15/2023, 1:49:39 PM