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「はい」
「…何これ?」
「カレンダー」
「…何で?」
可愛いキャラクター達があしらわれたカレンダー。
うざったらしいほどのきらきらした笑顔で、あの子は、不老不死の私に差し出してきた。
「私、日数とか年数とか気にする次元を超えてるんだけど」
今でさえ、この世に生を受けてから100年近く経っている。いちいち時を数えるのも冷めるというものだ。
「そうじゃなくて!ここに、たくさん予定を書いて実行していくの。予定を考えてるだけで楽しいだろうし、毎日も充実するよ!」


そう言われてから、もう500年が経った。相変わらずこの体だけは全く変わらない。私に唯一笑いかけてくれたあの子は、ずっとずっと昔に死んだ。
カチリとペンをノックして、500日目の予定を考える。
『首を吊ってみる』と書いた。
やっぱり全然楽しくない。

9/11/2023, 1:02:18 PM