午後二時。一番鮮やかな光が部屋に踏み込み、脱ぎ捨てられた部屋着や、ソファのクッションを白く飛ばしていた。
集中しすぎた。
頭のどこか奥の方が痺れるような感じがする。ぼーっとするのに、冴えている。
ふと周囲に意識を戻すと、視界の端に彼が置いたであろうグラスが、水滴を纏って静かに佇んでいるのが写った。
隣の椅子は空席だった。
ついさっきまで、彼はそこにいて、一応作業の邪魔をしないように静かにしていたはずだ。
溶けた氷で薄くなった麦茶はひどくぬるくて、喉が詰まるような感覚がした。
多分、オレが顔を上げるのを待っていた。ペンを置いて、ふっと息を吐くその瞬間を、静かに待っていたのだ。その優しさを、風景の一部のように受け流し、自分の世界に閉じこもってしまった。
空っぽの椅子に落ちる影が、取り残された心残りのように長く伸びている。
明るすぎる午後の光の中で、ただ薄い麦茶を飲み干した。
後悔
5/15/2026, 3:29:44 PM