"透明な涙"夜中にふと目を覚ますと、枕元に彼女が座っていた。電気の消えた部屋の中、窓から差し込む月の光がやけに明るくて。彼女は目を覚ました僕に気付かず、ただ月を見上げて泣いていた。声もなく、静かに涙を流す姿を見て。もう終わりなんだなぁと、訳もなく悟った。どれくらいの時間が経っただろう。眠りに落ちる寸前。頑張れなくてごめんね、と。僕じゃない誰かの名前を呟く声が、聞こえた。
1/16/2025, 1:51:21 PM