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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第七十話」

ココはとある山岳地帯。グラックとポールは、何かを探していました。
「グラックさん、この岩壁には何もありません」
「ココも違うか…」
グラックとポールは、ひっきりなしに岩肌を調べていました。
「この辺に本当に極地の塔ってあるんスかね?」
「それは間違い無い。有力情報の相手は信頼出来る相手だからな。悪ガキみたいな荒らしとは訳が違う」
「僕はグラックさんを信用しますよ。長年、コンビを組ませてもらってますし」
「どうしたの?君らしくもない…。ひょっとして、遭難して事故死とか考えてる?」
「ソレ、ありますね…」
ポールは、顔が真っ青になりました。
「幹部たる者がココでビビってどうする」
グラックが岩壁に手を付くと、岩肌が崩れ落ちて大きな穴が現れました。
「うわぁ、マジびっくりした…」
「見つかって良かったッスよ…」
ポールは、安堵しました。

グラックとポールは、突如現れた大きな穴をマジマジと見ていました。
「極地の『塔』ですよね…?塔、どこッスか?」
「穴だけだったら違うか…」
すると、辺り一面に大きな地響きが鳴って、空高くそびえ立つ大きな塔が現れました。
「うわっ、何この漫画みたいな展開!」
「ポール君、行きましょう」
グラックとポールは、塔の中に入って行きました。
極地の塔の中は、古びた遺跡の様な内装で、所々壁画が存在していました。
「まるでピラミッドの中を調査してるみたいッスね…」
「僕達は調査で来てるんですよ。ポール君」
「グラックさん、入り口がいくつもありますけど、何処から入ります?」
ポールは、周りにあるいくつもある部屋の入り口を見て言いました。
「こう言う古代遺跡は、大きな入り口が重要施設の確率が高いからな。突き当たりの入り口入って見るか」
グラックは、突き当たりにある天井程の高さの入り口を見ました。
「行きましょう」
グラックとポールは、突き当たりの入り口に入って行きました。
「ビンゴ!」
「正解ですよ…祭壇の間です!」
グラックとポールが入った部屋は、探していた祭壇の間です。
「地図に寄ると…極地の入り口はココだな」
グラックは、祭壇の前へ来ました。
「どうやって出現させるんスかね?」
「問題はそれだな」
「ハマラマンジャ様のお楽しみって事にしときます?」
「……その方が良いかも」
「まさかとは思うけど、この地図に書いてある『バクレマンジェー』って唱えたら開くとかじゃ無いですよね…?」
ポールが、冗談半分で言うと、祭壇の上に大きなブラックホールが開きました。
「えっ、ウソ!マジで?」
グラックは、驚くしかありませんでした。

「グラックさん、入って見ます?」
「極地の瘴気は、厄が凝縮された有毒な毒ガスの様なモンだから、無闇に入らない方が良い」
グラックは、ポールを止めました。
「でも…極地の力が手に入ると、ハマラマンジャ様以上の力が手に入れられるんですよ?」
「……ソレ、アリじゃん。危険を顧みず突き進むのも悪くないな」
グラックとポールは、極地の中に入ろうとしました。
「お待ちなさーい!」
いきなりセラフィと薄いベージュの肌、垂れ目で濃い灰色の目、砂色の無造作なショートヘア、痩せ型でピアスを付け、クールでシンプルなファッションを着たミステリアスで優しそうな青年が現れました。
「極地の力はナイトメア様の物だから、その他大勢の平民はダメー!」
「セラフィ、僕にも話させて」
「え?あの気弱そうなのがナイトメア?」
「何か、想像してたのと違う気が…」
グラックとポールは、ナイトメアを見て目が点になっていました。
「あの…瘴気、吸っちゃって良いかな?」
「僕たちの分も残して下さい」
「そんな事、言ってる場合じゃないぞ!」
グラックは、ナイトメアに拷問空間を仕掛けようとすると、ナイトメアは一瞬で消し去りました。
「?!」
「僕にそんな技、通用しないよ」
ナイトメアは、グラックの技もろとも瘴気を吸い取ってしまいました。

「ま…マジ?」
「ナイトメアさん、大丈夫ですか?」
瘴気を吸い取ったナイトメアの外見が変わり、濃い灰色の目は赤い目に、砂色の髪は白い髪に変わりました。
「ヤッバ、逃ーげよ…」
セラフィは、逃げてしまいました。
「ウッワ、あの女、逃げやがった!」
「ポール君、我々も退散しましょう」
グラックとポールも逃げてしまいました。
「みんな、僕を見て逃げて行った。そんなに強そうに見える?」
ナイトメアは宙に浮き、何処かへと消えて行きました。そして、誰も居なくなった祭壇の極地の入り口から、封印されていた一匹の赤い犬が吐き出されました。
「ブワっハァ…ヤッター!外だー!ようやく出られたー!ヤッタね、ガーネット君!あ、ガーネットは俺の名前だぞ」
ガーネットは、何処かへ走って行ってしまいました。

2/20/2023, 10:55:38 AM