ミミッキュ

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"放課後"

 用事を終わらせ帰路についていると、学生の姿がちらほらと見えた。スマホを取り出して時間を確認する。夕方の時刻を示していた。
「おっ」
 そういえばこの近くに学校がある。という事は今は放課後なのか。と、ぼんやり考えていると他の学生より大きなリュックを背負った男子学生を見つける。
「今でもでかいの背負う奴いるんだ…」
 俺が学生の時にも何人か大きなリュックサックを使っていた学生がいた。俺もその一人だった。丁度あの男子学生が背負っているものと似た大きさと形のリュックサックを使っていた。中身は筆記用具を入れた筆入れと教科書とノートとワークとファイルとそれ以外に、授業で使わない参考書や教本や自習ノートも入れていた。放課後はあの場所で、それを広げて自習してたっけ。
──今思えば、よくあんな重いリュックサックをほぼ毎日背負って登下校できたな。
 当時の自分を思い出して感心する。
──そういえば、時々パン屋さんで買い食いしてたな。あそこのパン、ふかふかで美味しかったなぁ…。
「久々に買い食いするか」
──お店まだあそこにあるかな?
 あのお店のパンの味を思い出して、あの時のお店へと足を向けて歩く。
──そうだ、他にもいくつか買って今日の晩飯にしよ。

10/12/2023, 10:59:40 AM