私の声は届かない。
雨音で聞こえなくて、まるで私が消えたみたい。
もういっそ、消えてしまえたならば。
「──────」
「え?なに?聞こえない!」
ほら、雨音に包まれて私の声は届かないの。
本当に言いたいことも言えなくて、この雨の中傘も持たずにひとりきり。
私が消えるんじゃなくて、世界が消えてしまえばいいのに。
私が消えても、世界はただ回り続ける。
居なくなった、それだけ。
だけど世界が消えてしまえば?私一人の損失とは比べ物にもならない。
大規模なものと比べてしまってるからそう思えているだけど、私の価値はそのくらいって考えると悲しくて仕方がない。
いっそ、雨音に包まれて私も雨になれたら良かったのに。
傘、いれてほしかったな。
6/12/2025, 8:35:14 AM