世界が壊れて、時間が止まった。数年ほど経って世界が直り、再び時間が動き出した。
でも、世界が直っただなんて所詮は建前。再び動き出したその世界は、時間が止まる前の世界とは、似て非なるもの。
それは、偽物の世界。時間が止まる前の世界を複製して、それを基盤に新しく作りあげられた、偽物の惑星。
だってもし、壊れる前の世界と同じなら。
私とキミのどちらかが欠けたら、世界の均衡が崩れちゃうはずでしょ?
なのに、その世界はキミ一人だけで均衡を保ててる。これって、ニセモノの証拠でしょ?
なんで、私だけが消されて、キミだけが生き残ったの?
なんで、私だけが存在をなかったことにされて、キミの存在は今も語り継がれてるの?
なんで、キミだけのうのうと生き長らえてるの?
私にも世界を守る権利はあったはずなのに、キミだけその権利を独り占めしてさ。
今度は私がそれを独り占めしたって、なんの文句もないはずだよね?
先に独り占めしたのはキミなんだから。
当時の私とキミの力は均衡状態だったけど、今はどうかな?
消されなかったキミと、消されても蘇った私。
一つの能力しか使えないキミと、10個の能力を使える私。
負の感情しか作れない君と、正の感情を作れる私。
いったい、どっちが強いんだろうね?
大丈夫、世界がぶっ壊れたとしても、キミさえ死ねば元通りにするよ。私も元はあの世界を守ってたんだから、この位は朝飯前だしね。
キミみたいな「生半可な復元」じゃなく、「完全な復元」をしてみせる。
だからさ、とっとと死んで?
(『無題』―笑ウ黒幕―)
11/28/2024, 10:42:59 AM