つぶて

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「正直に言ってみろ」

口にした途端、その場が凍りつく景色が見えた。
ずらりと並んだ配下の背筋が強張っている。矢面に立っている臣下は、蛇に睨まれた蛙さながら震えていた。

「何か言え。悪いのは誰だ」
「申し訳ありませんでした!」
「悪いのは誰かと聞いている」
「わ、私にございます」
「そうか。ならば相応の処罰が必要であるな」

未来を失った臣下は色をなくしている。その後ろの配下たちは飛び火に怯えながらじっと火が消えるのを待っている。沈黙に苛立ちを覚え、思わず声を荒らげる。

「もういい。立ち去れ」

拳を打ちつける。どうせあいつらは陰で私を嘆くのだ。悪政。理不尽な独裁。そんな言葉で私を呪い、寿命が尽きるのを待っている。もう懲り懲りだ。反吐が出る。

誰か。この私を断罪してくれないか。

6/3/2023, 6:58:06 AM