体育の途中。こんな暑い日に陸上なんて。
元々体力の無い私はすぐにバテてしまい、木陰で青空を見上げながら休む。
ドアが開いている体育館には私の想い人。今日はバレーボールをしている。あぁ、今日も太陽みたいに眩しいね。思わず目を逸らす。
君はどれだけ眩しいんだろう。君はどれだけの人を虜にするのだろう。君はどうして魅力的なんだろう。
もう、諦めてしまおうか。
泣きそうな気持ちを追い出すべく、ため息を吐くと、後ろから声をかけられた。
そう、私の想い人に。
私を心配する言葉を掛ける君。でも直ぐに体育館に戻って行った。
あぁ、君はまた私の心を掴むんだ。
やめてよ。もう離してよ。苦しいよ。
生暖かく吹く風は木陰を揺らした。
揺れる木陰は、まるで私の心のようだ。
7/18/2025, 8:49:52 AM