よしだ

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冬だ。冬の夜だ。冬の夜がやって来た。

空気は氷のように透き通り、甘く冷たい匂いがする。

星々は氷柱のように垂れ下がり

眠る街を見下ろしていた。

私は春を待つ土の丘に寝そべって

白い息を吐きながらそれを見上げていた。

目が覚める迄は春だった。

目が覚める迄は夏だった。

目が覚める迄は秋だった。

目が覚めたので冬が来た。

春に恋する冬告精がうたっている。

春告に会えば死んでしまうくせに。

もう一度目を閉じた。

次に目を開けた時、

夏に別れた

春の君に会えたらいいのにと思って。


「星空の下で」

4/6/2024, 2:19:35 AM