歳を取る度、増えた鎖に安心して目を閉じる。どこへだって行けなくて良かった。ガムテープの隙間から呼吸をする日々は随分と気楽だった。押し込めたものが漏れ出ないよう閉じた薄膜だけが気がかりだった。いずれこうなることは分かっていた。潰れて溢れたそれは日常を侵食し、鎖も薄膜も流して自由だけを残した。これから、どこへ行こうか。
4/24/2025, 6:39:31 AM