「うーむ。今日は何色にしようかのぅ…」
老人が見つめた先には
小瓶に入った色とりどりの飴玉があった。
色も然ることながら、味も複雑でひとつとして同じものがない。
悩んだ末、真っ青なそれを口に放り込む。
「ほぅ…なんと爽やかな」
老人が飴玉を舌で転がしていると
パタパタという足音と共にドアが開いた。
「おじぃちゃぁん!」
「おぉ、来ておったか」
「おじいちゃん、何食べてるの?」
「あぁ…お薬じゃよ」
老人は小瓶を指差した。
「えぇー?こんなに綺麗なのにお薬?」
「そうじゃよ。わし専用のお薬じゃ。
お前さんには毒になるから、決して食べてはいかんぞ」
「はーい」
そしてまたパタパタと足音をさせながら部屋を出て行った。
「ほっほっほ」
老人は微笑み、静かに目を閉じた…。
「神さまぁー大変でございます!
起きてください!!」
「何事じゃ?」
「アレを…」
執事が指差した先には空になった小瓶が転がっていた…
その頃…地上では…
「今日の天気は何なの?」
「爽やかな青空からカミナリ?」
「こんなに暑いのに雪?」
「虹もでてるゎ」
「ほっほっほ。こんな天気もたまにはよかろう」
【カラフル】
5/1/2024, 12:05:34 PM