教室の黒板の横。
担任教師によって貼り付けられたそれを、私はどうしても好きになれなかった。
その大きな数字が4になったとき、みな私の知らない道を歩み始める。
ムードメーカーのあいつは就職して。
真面目なあの子は内部進学を。
気になるあの人は県立の大学へ。
体感の時間と違って、それは決まった日に捲られる。
ときには早く、ときには遅く。
暑くても、寒くても、雨でも、雪でも。
お願い。もう少しだけ待って。
数字が進む前にあの人に伝えたい。
「____。」って。
『カレンダー』
9/11/2023, 10:57:06 AM