葉月

Open App

「自転車に乗って」

 映画で宇宙人を扱ったものは多い。昭和の世代、そうしたサブカルチャーはたくさんあった。いま私は『E.T』を思い出している。
 あの映画のラストシーンでは、美しい満月の夜、主人公とE.Tは自転車に乗って舞い上がった。どうして、こうしたSF映画が生まれてきたのであろうか。製作者の無意識が生み出したのか、それとも明らかな意図があったのかは、わからない。
 けれども、今という混沌として、先の見えない世界の到来を予感していたのかもしれない。環境問題、絶滅し続けている生命への危機感、温暖化の問題など、以前から警鐘は鳴っていた。いまだに、まだまだ先のことで自分自身には関わりのないことだと、言い聞かせている人達は多い。
 宇宙人の姿は想像するしかないけれど、かつてプラトンが考えたイデアという理想世界があるのだとすれば、やはりそれは、高次元のどこかにあると想像している。
 そして宇宙人は人は善を求めるものと考えているし、それを願っているだろう。宇宙人が、地球の侵略者として表現された作品も多いけれど、私はそうは思わない。
 この地球が可能な限り、美しく生命あふれる惑星であってほしい。それは、この銀河系全体の願いであり、この宇宙の最大の関心ごとだと捉えている。


8/15/2023, 5:24:13 AM