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♯春恋


 私はあなたに恋をしました。
 あなたの眩しい笑顔。沁みるような優しさ。そのすべてが、私にとって生命そのものでした。
 つぼみがふくらんで、大輪の花を咲かせようとした頃――私の恋は花開くことなく、冷たく枯れしぼんでいきました。
 だって、あなたはとても汗っかきで。その滲み出した汗がとても臭くて。にちゃにちゃねばねばしていて。まるで体育館の床を拭いた後の雑巾みたいで。あなたの笑顔も優しさも途端に穢らわしいものになってしまいましたから。

 これはきっと、春ゆえに許された恋だったのです。

4/15/2025, 9:46:04 PM