ひとつぶ

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あぁ暑い。
焼けるように暑い。
僕は死にたいと願っていたはず、だのに死がこれほどまで勿体ないなんて知らなかった。
タイムリミットに慌てふためく僕の隣で、君はゆっくり朝ごはんを食べる。どうせこれから死ぬってのに。

熱い。
あたまが回らなくなる。
こちらに近付く流星に願うように呟く。

『君が好きだったよ』

君を見なければ良かった。そんなに嬉しそうな顔をするなんて。やっぱまだ死ぬには勿体ない。それが僕の終わりだった。




#世界の終わりに君と

6/7/2023, 11:08:52 PM