SHADOW (めちゃくちゃ不定期)

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高く高く

前回の続き

Rはベットから降り、俺の傍にフラッグ足取りで来た。
「どうして泣いてるの...?」Rは昔のように、俺に優しく話しかけた。
「Rに合わせる顔がなくて...。昔の事まだ怒ってるだろ...?」俺は消え入るような声で呟いた。
Rは俺の言った事が分からないのか、キョトンとしていた。「?なんの事?」Rは少し考えて「あぁ...あれの事か。もう怒ってないよ?」そう答えた。
「え...?だって俺がちゃんと言わなかったから、怒ったんだろ?」そうRに問いかけたら、Rは「僕も言い過ぎたと思うよ?だけど、貴方の人生なんだから僕が邪魔しちゃいけないなって、思い改めたんだよね。」Rは少し恥ずかしそうに言った。
俺は顔から火が出そうな感じがした。
そんな事を考えていた自分に嫌気がさした。
「まぁ、そんな事は良いから僕と少しお話しよ?」
俺はRの誘いに乗ってしばらく話していた。
久しぶりにRと会話したなと、俺は心の中で思った。
「そうそう!貴方が来てくれたから明日でも手術しようかなって思います。」突然Rがそんな事を言い出した。「え?」俺は驚いた。「あれ?僕描きませんでしたっけ?"貴方が来てくだされば、僕も手術受けようって。忘れちゃいました?笑」
Rはころころとした笑いを零した。
「俺はちゃんとRに手術受けてもらいたい!Rともっと話したいし、Rは自分の人生を大切にした方が良い!」俺は早口でRに言った。
Rはしばらく考えていたが、ふと俺にこんなことを言った。
「じゃぁさ...。手術が成功したら僕ともっともっと...いや、手術が無事終わってから言うね笑」
俺は「?」と思ったがRが手術を受けてくれる事で頭がいっぱいだった。
ー手術当時ー
Rは手術室に行く前に俺に話しかけた。
「ちゃんと成功するように、祈ってて?笑」
「ちゃんと祈ってるから、安心して行っておいで」
俺はRが怖がらないように、優しい口調で言った。
だが、手術は思ったより長く感じた。難しい手術だって聞いたけど、こんなに時間は長く感じるものなのかと思っていた。
何時間たったのだろう、手術中のランプが消え先生が出てきた。俺はすかさず「先生!Rは...。」最後の言葉が、自信を無くすかのように小さくなってしまった。先生は「大丈夫です。手術は成功しましたよ。」その言葉を聞いて俺は安心して近くの椅子に座った。
そのあと俺はRの病室に行き、Rが起きるまでそばにいた。
Rが起きたような気がして、Rの方を見た。Rはうっすら目を開けて僕を見ていた。「R。手術は成功したって...」俺は興奮する自分を、抑えながらRに言った。Rは安心したように俺に微笑みかけた。
Rは俺にこう問いかけた。
「あのさ...。僕は君が好きなんだよね...。だからこんな僕でいいなら付き合って欲しい...。」
Rはかすれて消え入りそうな声で俺に言った。
俺の答えは決まっている。
「勿論!俺もRの事前から好きだったんだ。俺はRの気持ちに、上手く答えられないかもしれない。Rの思っているより屑かもしれないけど、これからよろしくお願いします。」
2人は恥ずかしさを紛らわすために笑った。

しばらくして、Rは起き上がれるようになったので、俺はRの好きな折り紙や本を沢山持っていくようになった。勿論俺が暇な時は大抵Rといるようになった。Rはそんな俺が面白いのか、俺を見る度に笑っている。そんなRを見て俺もつられて笑ってしまう。
Rは「一緒に高く長く飛ぶ、紙飛行機折ろ?」
俺とRは一緒に、どうしたら高く長く飛ぶか考え、折っていった。
やっと出来上がったどこにでもなりそうな、白い紙飛行機は机の上に乗っていた。
俺はRを車椅子に乗せ、病院の中庭に出た。
俺はRの横にしゃがみ、Rと一緒に紙飛行機に手を添えて、あの広い青い大空に紙飛行機を飛ばした。
その紙飛行機は"高く高く"長くあの大空に飛んで行った。
ーENDー




ここまでお読みくださり、有難うございます。
誤字脱字があるかもしれませんが、見なかったことにしようしてください笑
また明日(?)の作品を楽しみにしてください。
このお二人の番外編を書くかもしれません。
(書かないかもしれない💦)
※この物語はフィクションです

10/14/2023, 11:52:35 AM