踊るように…
母はよく踊っている。自分で歌いながら、あるいは流してる曲に合わせて。
幼い頃からそうだ。記憶の中の、母の踊る様を、随分と鮮明に、そしてたくさん思い出せる。
よくそれに混じったっけ。
はちゃめちゃに、もしくはステップを踏んで。(母に教えられながらね)もっとも、そのステップだってはちゃめちゃだけれど。
「ハイ、わん つー」
楽しそうなこの掛け声をいくつかけられたろう。
どうしたって踏めないステップをあわあわしながら踏んでいる時によくかけられる。
余裕そうな声を少しだけ恨めしく思う。
「ぜんぜんダメだね」
ふふん
ひと段落したあとはよく聞くセリフだ。
毎回そのセリフも恨めしく思う。
あぁでも、恨めしいのに踏めないステップを練習しないのは…そうやって「踏めない」と笑い合うのが好きだからかもしれない
9/7/2022, 12:16:50 PM