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8年前、灼熱の夏が襲い掛かる日、私は中学生だった。その日、私は幼なじみのあまねくんに再会した。あまねくんは小学4年生の時に病に倒れ、亡くなってしまった。だから、彼が私を呼ぶなんてことは、ありえないはずだった。しかし、私が振り返ると、そこには小学4年生の時のあまねくんがいた。彼は変わらずに、微笑みながら私を見上げていた。

私は驚きに震え、言葉を失った。彼はまるで幽霊のようだった。私は彼の手を取り、握りしめた。彼が本当にここにいる。彼が私を呼んでいる。それはただの夢ではなかった。

「あまねくん、本当にいるの?」私は彼に問いかけた。

彼は微笑んで、私の手を握り返した。「うん、本当にいるよ。でも、ここにいる僕は幽霊だけどね。」

私は驚きと同時に、彼が幽霊だという事実に戸惑った。なぜ彼は幽霊になって私の前に現れたのだろうか。そして、なぜ私だけが彼を見ることができるのだろうか。色々な疑問が頭をよぎった。

「なんで……今更?」私は彼に尋ねた。

「君が、はるちゃんのことが大好きだったから、かな?」彼はあの時のようにくしゃっとした笑顔でそう言った。

「遅すぎるよ、あまねのばか」私は彼を非難した。

「……ごめんね、あの時の僕は弱くて」彼は謝った。

「じゃあ今は強いんだ?」私は彼を見つめた。

「えっ?いや…うん。強いよ」彼は微笑んで答えた。

「はるちゃん」 「なあに?」
「僕ね、多分もうすぐ成仏しちゃうかも」
「え?」
「3年以上はるちゃんに見つけてもらうために頑張って、気持ち伝えたらなんかすごいすっきりしたって言うか、だから……」

「やっと会えたのに。また居なくなるの?」

「うん……だから次会う時ははるちゃんが僕を見つけて。ずっと待ってるから」
「うん……」
「何年かかってもいい。でもこれだけは言わせて。僕は君のことをずっと好きでいる。でも君は僕じゃない違う人と幸せになって、そして次会う時に話を聞かせて」
「ぅん……」

そう言って天音は消えた。

あれから何十年もたった。天音の言った通り好きな人もできて子供もできて幸せだ。
でも時々空を見上げると思い出す。

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「あまね、まった?」
「ぜーんぜん?」
「ほんとに?」私はあまねを問いただした。
「嘘。めっちゃまった。」諦めたように笑うあまねはやっぱりあの時のまま。
「そう、……おまたせ」
「はるちゃん、僕はまだ好きだよ。」
「そっかー…でも残念だね。私には永遠を誓った人がいるんだ」
「そうみたいだね。約束、覚えてる?」
あまねは私を不安そうに見つめた。
「私の話でしょ?忘れないよ。」
「良かった、」
「でも、私の話長いよ?」
「待つのは得意だよ」
「待つだけじゃなくて反応してよ?じゃなきゃ話さない」
「ええ?仕方ないな」
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【空を見上げて心に浮かんだこと】
ちょっと(だいぶ)おだいから逸れた……

7/16/2023, 2:12:43 PM