『何でもないフリ』
私は「何でもないフリ」をして生きてきた。
心配されるのが癪だった。
辛くても、苦しくても、それを見せないようにして。
体調が悪くても、何でもないフリをする。
情緒不安定な時も何でもないフリをする。
そして、「良い子」を演じるんだ。
たまにボロが出て怒られるけど。
私は周りに馴染めない。
人間関係を構築できても、上手く付き合っていけない。
初対面から時間が経つにつれて、嫌われていく。
普通との価値観が違いすぎる。
空気が読めない。
多分、私の判断力が足りないんだ。
もう、疲れてしまった。
辛い、苦しい、悲しい、寂しい。
私なんていない方がいいんじゃないか。
そんな不安が募って行って。
我慢しているうちに「死にたい」が出てきて。
いつしか「消えたい」に変わっていく。
私なんて、周りに迷惑をかけるだけの人間だ。
死んでしまった方が、いなくなってしまった方がいい。
私も、周りも幸せなんじゃないか?
もう、どうしようもない。
いっそ、独りの方が楽なんじゃないか?
あぁ、静かなところで穏やかに暮らしたい。
景色が綺麗で、とても静かな所で。
穏やかに暮らしていきたい。
好きな時に死ねるなら最高だ。
なんて、独りは寂しいだろう。
私は寂しがりだから。
好きな人と一緒に。
静かに、そして、穏やかに暮らしたい。
私の理想の場所。
夜のとても静かな森の中。
夜空に広がる星空。
青白く輝く満月。
目の前に拡がる湖。
湖には月の光が反射する。
静かに吹く風に水面が揺れている。
水の音が心地よい。
その近くにある家。
そこに好きな人と一緒に住んでいる。
その人以外と関わる必要は無い。
空腹を感じない。
何をしてても良い。
なにより、好きな時に死ぬことができる。
そんな場所。
12/11/2024, 2:45:29 PM