「はじめまして、わたくしレッドムーン魔法学園のダグラスと申します」
はあ、これはどうもご丁寧に
私に何か用でしょうか?
「実は、我々は深緑の森の賢者と呼ばれるフラウさんを、是非とも教師としてお招きしたいと考えておりまして」
お断りします
「え?
いやいや、報酬はそれなりの金額をご用意させていただきますよ?」
高額な報酬、そこまで魅力的じゃないんですよね
今の収入もけっこうな金額で、十分生活できてますし、研究や実験に使う素材は採集が主だし、たまに高い素材を買うときも余裕なくらいなので
「学園へ来ていただければ、様々な施設を使えますよ?
研究も実験もしやすくなるはずです!」
まぁ、それは魅力的ですけど……
「じゃあやっていただけませんか!?
捗りますよ!?
我々も捗ってます!
素材も自由に使えますし!」
教師はやりたくないんですよねぇ
そういう場で教えたことないですし、ノウハウとかもなくてわからないので
「研修も手厚く行わせていただきます!
わからないことや不安も遠慮せずおっしゃってください!」
モンスターペアレントとか最近聞くじゃないですか
私、それ系の対応とか苦手で、病んじゃいますよ?
「それも、我々が対応しますし、サポートいたしますよ」
不良とか怖いし、生徒の問題への対応とかできないです
「我らが学園はこう言ったらなんですが、精神性も重視する名門なので、変な生徒はいませんし、授業以外のことは我々の方で行います
ですから!
どうかお願いします!」
でも、でもですよ?
私の見た目、14歳くらいなので、生徒の皆さんが同年代や年下に見える相手から、偉そうに教えられたら、不快じゃないですか?
「フラウさんが250歳なのは生徒も知ってますから!
偉大な賢者様に教えていただけるなんて、生徒たちも喜びますし、よりいっそう勉学に力が入ります!」
私は自分を賢者と思ったことはないですけどね
あと、あまり私の年齢を大声で言わないでください
「あっ、も、申し訳ございません
と、とにかく、魔法の発展を助けるのだと思って、来てはいただけないでしょうか?」
いや、でも……
「ふぅ、わかりました
この手は使いたくなかったのですがね
……吟遊詩人グループのレイン・アンド・ファイア
フラウさんは大ファンですよね?」
な、なぜそれを
「学園の情報網を舐めてもらっちゃ困ります
あなたを学園へお招きするため、調査は徹底的にやらせていただきました
それはともかく
実は彼ら、学園の卒業生なんですよ
ハイレベルな魔法パフォーマンス、知ってるでしょ?
フラウさんさえよければ、ライブのチケット、ご用意いたしますが?」
うっ
い、いやいや、そそ、そんな
「彼らと、ちょっとお話してみたくはありませんか?」
うぐぐぐぐぅ!
「……全員のサイン入り限定超レアグッズ」
承らせていただきます!!
「……勝ったぁ……
では後日、契約書を持ってまいります
よろしくお願い致しますね、フラウ"先生"」
ま、負けた……
あぁー、反則すぎぃ
でもいっかぁ、倍率高いレイン・アンド・ファイアのライブどころか、レアグッズ、さらにメンバーの皆さんとお話できるんだから
……ふへへ
よし、もうこうなったらレイン・アンド・ファイアを糧に教師生活頑張ろう!
4/1/2025, 11:34:35 AM