目覚まし時計が鳴り響く。止めて時間を確認すると5時半だった。重い身体を叩いて仕事へと向かう。
外は日中のように太陽がテリテリだった。オフィスに入るとヒンヤリとした空気に身震いする。時計は9時を指していた。
おはよう ちゃんと起きられたんだね
おはようっす でもまだ慣れないっすよ まだうちの時計は直してないっすから
国全体で時計の針が5時間早まってから1週間は経つものの未だに朝は苦痛である。
てかあいつまだ来てないんすか
え?珍しいわね 遅刻なんてしたことないのに
同僚の席は空っぽだった。いつもは俺より先にいるはずなのに。最近時間の早まりで健康障害が出てるって言うしな。しかも昨日は部長が倒れたし。
俺は同僚へコールした。何度もコール音が鳴って留守電に切り替わる。もう一度かけ直すが出ない。
ちょっと様子見てきます
オフィスを出て電話を切らずに同僚の家へ向かう。
プルルルプルルルプルルルプルルル プ はい...
しゃがれた声が聞こえた。
俺は大丈夫か!今9時半だぞと呼びかける。
...やっべ
そのまま電話が切れた。
俺は真顔でスマホを見下ろして来た道を戻った。
.君は今
2/27/2024, 5:07:46 AM