やさしい嘘をつかれるより、残酷な真実を伝えて欲しい。
嘘は嘘のまま、きっとどこかで破綻する。
その時、君の優しさまでもが破綻して、欺かれたというその残酷な真実に戸惑うことになるだろう。
だから、いつだってリアルを伝えて欲しいんだ。
リアルな世界がどれほど美しいかということを、全身で感じていたいから。
今の本当の気持ちを言ってくれていいよ。
もう、終わりだと言うならそれでもいい。
僕は大丈夫。
たとえ一人ぼっちになっても、今までと変わらず生きてゆけるから。
変わらないよ、この病室で生き永らえる生活は。
むしろ、ひとつ重荷が減るのかもしれないね。
あっちの世界へは、何ひとつ持っていけないんだろうけど。
あなたが好きとかさ、やさしい嘘は欲しくないんだ。
それは、僕を未練でこの世界に縛り付けることになる。
そんな残酷な仕打ちを受けるより、真実を告げて僕の前からいなくなって欲しいんだ。
ホントだよ。いや、泣いてなんかいない。
君と離れることは悲しくなんかないんだ。
だけど…今までありがとう。
これだけは、伝えておきたかった。
え…僕の言葉全部がやさしい嘘?
そんなわけ…ごめん、今は涙があふれて何にも言えないや。
また明日、来て欲しい。
きっと明日は、本当の気持ちを伝えられると思う。
やさしい嘘なんか…今の僕達には必要ないって、気付かせてくれてありがとう。
1/25/2025, 1:00:50 AM