逆光
虚像と錯覚しそうなほど、深い闇を見つめていた。
「…死にたい」
1人の少女がそう呟いた
すると暗い路地裏からゆっくりとこちらへ向かう足音が聞こえた
「あっ、あの……っあの」
【生きてください】
書かれた1枚のメモを手渡す
それはまるで学生が異性に告白をする光景のようだった
「愛の反対は死だと思う?」
そう投げかけた質問の意味がわからず彼は首を傾げる
「きみが………そっ、う思う。りっゆうは知らっ、ないけ…ど……げ……原因は…っ、何なのか…し、し…調べるべきだと思う…」
「…っきみが、“死にたい”…ど、っとと言うのが」
「俺は…よく…わ、わっ…か」
目の前にはよく知らない男の人
何かを必死に伝えようとしている
この人になら
最後くらいなら話してもいいと勝手に口が動いた
「…殺したい」
ずっと、深く奥に沈んでいた心の声
思っていたりよりその言葉は軽く言えて
同時に死ぬことへの決心が深まった
少女は求めるように両手を差し出す
彼は如何を問わず少女を抱きしめた
「ねぇ…なんであの時私に声をかけたの?」
【寂しそうな顔をしてたから】
「…そっか」
西宮可奴
人の目を過度に気にする女の子。
好きな人を殺してしまい、思わず家から飛び出て冷静になった後罪の重さから自殺をしようとした。
東野傳次郎
吃音でいじめられてきた経験があった為、メモで会話をする。
フリーの一般人。お金はない。
自己肯定感は高いので生きたいと願うが自分が好きではない。
多分2人でどっか遠くで幸せに暮らしてる。
1/25/2024, 8:11:42 AM