あの時の貴女といた間の天気は、別れの時の鮮やかな青空しか覚えていません。
その時の俺は、貴女の作る世界一美味い料理と、柔く温かい貴女の身体とに夢中で、庵から出たいとは欠片も思わなかったのです。
貴女の守りに入ってからの五百五十年の間、あらゆる天気を共に見てきました。
曇りの日も、雨の日も、雪の日も嵐の日も、全部全部。
そうやって貴女の魂と時間を重ねることを嬉しく思う一方で、生きていた時の貴女と、様々な空の下で過ごしてみたかったとも思ってしまうのです。
3/23/2025, 3:13:12 PM