梦憂

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僕が好きだった人が亡くなった。
そのせいで、めったに風邪をひかない僕が風邪をひいてしまってここ最近寝込んでいる。高3の夏だというのに勉強が遅れてしまわないか心配している。あぁ、昨日は特に調子が悪いな。40℃の熱が出ていて、意識がもうろうとしてきた。そんな時に玄関のチャイムが鳴った。誰だろう。きっと友達だろうと思い、ドアを開けると、そこには亡くなった僕の好きな人がいた。どうして。きっと幻覚だ、と思ったが「久しぶり。」と声をかけられた。突然の君の訪問。いや、こんなことありえるわけない。「私が死んだからってそんなに落ち込まないで。でも、私に会えて良かったね。私とずっと一緒にいたい?」いたい。なんて言ったら君はどうするの?「そんなの無理だけど笑。ごめんね、あなたのこと好きじゃないから笑。」そんなことなら会いに来なくて良かったよ。「それじゃあ、元気でね。私が居なくても頑張ってね。もう会いに来ちゃだめだからね。」どういう意味だ。そっちが会いに来たくせに。「起きて!起きて!」目が覚めると母が泣きながらこちらを見ていた。たくさんの場所に包帯が巻かれていて、病院にいた。お医者さんが来て、「目が覚めたのは奇跡としか言いようがありません。この3日間ずっと意識がなかったんです。」どうやら交通事故に遭ったらしい。ということは彼女が会いに来たんじゃなくて、僕が彼女の元へ行っていたのか。彼女が助けてくれたんだ。事故に遭った僕を彼女の方へ来させないために。その瞬間涙が溢れた。彼女を好きで良かった。来世は彼女のそばにずっと居たい。

8/29/2024, 6:32:25 AM