もず

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【平穏な日常】
朝、夢と分かりながらその世界に浸っている。
目を開けてしまえば現実を知ってしまうから、
だからもう少しだけと目の前のあなたに呟いたんだ。それと同時に頭の後ろで鋭い音が鳴り響く。それは最初夢の中の音と一体化していた
けどだんだんとそれは夢と現実を引き裂いていく、意識がはっきりしてきてやはりこれは夢だったのかとわかる様になっていく。


パンを齧る。小麦の味が鼻を抜けるコーヒーの香りと混じっていく。まだハッキリしていない頭はさっきの夢をじんわりと思い出している。
歯を磨き、スーツを着て、充電器からスマホを外す、時間を確認してふぅと息を吐き、鏡で身だしなみを整える。玄関で靴を履き、シューズクロークの上の小さくなったあなたに行ってきますと声をかける。ドアを開けると春の暖かな匂いが部屋の中へ吹き込んできた。

3/12/2024, 8:32:02 AM