22時17分

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美しい国、日本。
そんなスローガンを引っさげて総理大臣に舞い戻ったのは誰であろうか。うろ覚えであれば、それで結構。すぐに出てくるのであれば、もう忘れたほうが良いのではないか。
当時も、辞任した後も、数年後の惨劇も。すべて含めてみても。「ったく、どこが『美しい国』だ」と嘲りの笑いを持った人は、きっとその人自身の目が腐りきっているのだろう。色眼鏡どころか、まつ毛も角膜も濁ってしまって、誰が誰だかよく分からない。水晶体にヒビが入ってしまっている。

先日、任天堂Switch2を取り上げたネットニュースがあった。転売ヤーによる価格釣り上げ祭の影響がある。対策しなければ、子供たちに……、欲しい人に……渡らない。ゲームは人の手に渡って娯楽になる。その前に、転売ヤーの玩具にされたら、娯楽にならない。
そんな世間の論調に対し、有名人は語る。
「いや、転売ヤーだって小売の一種なんだから合法だろ。まあ、俺は今すぐ必要じゃねーから、Switch2の価格とかどうでもいいけど」

「うわっ、正論おじさんだ!」と僕は思った。
相変わらず冷ややかな目を、ここぞとばかりに投げかけている。コメンテーターとしては正しい意見ではある。正論だからだ。

正論とは、被害者の気持ちを汲み取らない冷や水のことである。例えば野球特有の駆け引きがあって。投手がデットボールを投げてしまいました。
あーっと、これはどういうことか。手元が狂ってしまったか。実況席はちょっと心配げに中継する。しかし、ここで、
「いや、デットボール投げるくらいなら、ストライクど真ん中を投げた方が良いに決まってるでしょ」
こんな現場に冷や水を浴びせるような意見を聞いたら、「いやいや……」ってなりますね。
なぜかと言えば、書いた通り、野球特有の駆け引きがあって、手元が狂ってデットボールに……という流れですから。

正論って、実際の試合は見なくても言える意見ですね。そして、正しいけど事実に即していない。状況把握の理解を捨てた意見が正論です。
「試合見てたか? ルール分かっとるんか? お前、野球の駆け引きの何たるかが分かっとらん。」
投手が一体何の球種を投げようとしたか、葛藤があって「あっ」となった。その論点から一番遠ざかり、さらに論点ずらしまでやっていく。これはデットボールよりも悪い大幅なボールではないか。

それに違和感なく「そうだそうだ! バッターに謝れ!」と迫る同調者も、同じくらいズレている。きっとこれらは冷酷・冷笑主義。
こんな奴らにはなりたくない。なぜならポテチばかり喰ってぶくぶくお腹で不健康で、何の努力もせず威張ってばかりだからだ。

「たく、どこが『美しい国』だ」
うるせぇ。顔洗え、歯を磨け、髪洗え。
部屋片付けろ、ボロい服着て仕事しろ。
なに、そんな努力、もうやってる? なら、低賃金同士仲良く悪態つこうぜ。今の首相はダメだダメだってな。

6/11/2025, 9:59:41 AM