『好きになってごめんなさい。できるだけ早く忘れるようにするので、今だけは赦してください』
好きの文句は、どこまでも自己否定から。
今振り返って、これが私だ、と思う。自己否定と自己嫌悪にまみれていた私らしい、告白だ。
全てを諦めた告白の陰で、きっと何かを期待した。もしかしたら、あわよくば、そんな愚かな恋心を自覚して自嘲した。
迷い込んだ。走った。迷った。転んだ。迷った。泣いた。抜け出した。
__恋に、堕ちた。
自由落下に気づく前に真綿のように優しく振られて、地面に墜ちてはしとどに泣いた。
恋慕へと姿を変えた友愛は、転生してまた一つ、洗練されてどこか穢れた友愛に育った。
失恋して尚、私は恋心を失えていない。
いつか、美しく葬ることができたなら。
それだけで、今の私は救われるでしょう。
6/3/2024, 11:38:33 AM