語り部シルヴァ

Open App

『ひそかな想い』

「ただいまぁ」
「おかえり!ご飯丁度できたよ!」
「あ、あぁ。ありがとう。」

普段やってないことをしてるせいか
動揺を隠しきれていない。
ふふ、作戦は大成功だ。
「ねえ、今日はお風呂も豪華にしたから楽しみにしてね!」
「そんな贅沢するなんて珍しいな...
あれもしかして俺記念日とか忘れちゃってる?」
「毎日が記念日みたいに大切にしてくれると嬉しいな...」
「そういう意味ね。
俺たち付き合ってから毎日が記念日みたいなもんだろ!」

大きい声で笑いながら上着と仕事カバンを
ぽいっと捨て椅子にどかっと座る。
一瞬自分の目がピクっと反射的に動いたのを感じたが
バレないよう平静を装う。
手を後ろで組んでぎゅっと握る。

「ん?どうかしたか?」
「んーん、なんでもないよ!
あ、お風呂上がったらプレゼントがあるから
楽しみにしてね!」

離婚届。浮気してるあなたにぴったりだよね。

語り部シルヴァ

2/20/2025, 10:44:10 AM