「明日世界が終わるなら」妙に幻想的な空を眺めていた。それは世界最後の夜という色眼鏡なのか、それとも神様のいたずらか。深い青というよりむしろ紫がかって見える、淡い絵の具を滲ませたかのようだった。戸惑う人、泣きわめく人、逃げ惑う人、絶望する人、楽しむ人、はしゃぐ人、立ち尽くす人、楽観する人。何もかもどうでもよかった。もう、何もかも。ただ座って、静かに、この空を眺めていたかった。ただ眺めて、知りたかった。この世界の終末を―
5/6/2024, 2:17:03 PM