謝罪癖がある。それは日本人に多い、すぐに謝るという癖。謝らないというのもそれはそれで人間として駄目な所もあるが、謝り続けるというのも一種の煩わしさに含まれるのだろう。「はい、すいません」「誠に申し訳御座いません」「以後、善処します」 等、謝罪は沢山ある。私は、謝罪の語彙だけあって常に人間が使う様な言葉の語彙はないのだ。
「〜なあ、いっつもお前謝ってねぇ?」
同僚のオダにそう云われた。それは自覚しているつもりだが、こいつに云われると何故だか腹立つ。こいつのへらへらした顔面のせいなのか。こんな奴と話す義理はないけれど、こいつ以外に話すやつも特にはいない。だから返事をする事にした。
「…まあ、自覚はあるけど」
「やっぱり!?ああいうの御偉いさん達嫌いらしいから辞めた方がいいんじゃねーの?」
食い気味にそう答えたこいつ。辞められる物ならとっくのとうにやめているのに…何故それがわからないのだろうか。馬鹿だからか?バカだからか。
仕事はギリギリになったらするをモットーにしているらしいそいつは仕事をしたがらない。しなくて良いなら私だって願い下げだ。やるのが面倒な事をやらなくていいなら誰だってやらないし、やる人がいるならそれは人類としての何かが足りていない気がするくらい、私達人間は無気力だ。
「へえ、そうなんだ」
「わっかりやすく興味なさげだなあ!」
あぁ、だるい。これだからバカは。
「あー、ごめんごめん」
theme " ごめんね
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刺咲 絞憂です。
もう指摘されてるのに、ついついいつもの癖でやっちゃうカサキとオダのお話です。
5/29/2023, 10:22:13 AM