短編小説 しらたま

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変わらないものはない、絶対だ。
この一文でさえ矛盾しているのはおかしいだろうか?絶対とは何においても必ずという意味である。不変の必ず。クラスメイトたちは納得し確かに、と呟く者もいた。矛盾を子供に押し付けて困惑させる。数学のように複雑にしているだけではないか。
僕は学校が嫌いだ。それはいじめでも勉強嫌いでもない。ただただ人と関わると裏切られるからだ。修学旅行で友達を失った。自分は好きでも相手からは裏切られる。相手は友達が沢山だから切り捨てることに問題は無い。嫌な世界だ。


「しゅうとー。起きなさい。学校行くんでしょ?」
今日も今日とて生ぬるい地獄がやってくる。中途半端な温度が最も気持ち悪い。そして何かが吹っ切れたのを皮切りに学校は向かう…。その足取りは重かった。囚人がつけてそうな足枷をつけているかと思った。

足枷は重力に縛りているんだ。だから自由落下はなんの苦でもない。今まで抱えてきた友だった者に対する憎しみ、彼女への愛情。全ての重みから開放されるんだ。




ーーー〜ー



「しゅうと……。なんで飛び降りなんて……。」
彼女の思いだけは変わらなかったみたいだった。この行動はもう取り返せない。変わらない事実だった。

12/27/2023, 4:40:23 AM