NoName

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暗がりの中で
膝を抱えて息を潜めていた。
誰にも見つからないように、気付かれないように
生きることは窮屈で、
息をするのさえ難しい。
面白いこと楽しいことは本の刹那の時間で、
そのあとはただ、無為意味な時間が続いている。
そんな中をただ、歩いていた。
疲れてしまって、優しい暗がりの中に身を潜めて
時間が過ぎるのをただ黙って眺めていた
悪いこと、いいこと、
楽しいこと、辛いこと、
世の中に溢れる表裏一体のものたちを
その優しい闇に抱かれながら見ていた…

10/28/2023, 5:31:02 PM