雨望

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体に浮遊感を覚える。
私の頭はそれがあり得るはずのない感覚だと訴える。
私はその訴えを認めたくなかった。
この状態はあり得るはずがなかったから、あって欲しくなかったから。

私はいつも通り魔法の箒で学校に向かう。
今日は魔物退治がある。人手が足りないらしく学生も報酬をもらい魔物退治ができるように最近決められたそうだ。
万年金欠の私にとってはとても嬉しいニュースだ。
早速申し込んだ。それが今日だ!
学校側も色々用意してくれて、無駄にお金を使う必要がなく、本当にありがたかった。

魔物は東の森にいるらしく、早速箒で向かった。周りを見渡しながら攻撃魔法の準備をする。
だが私は真下を見ていなかった。
突然箒が真っ二つに折れ、落下する。
パニックになり低速落下の魔法をかけようとすると杖を魔物の触手に飛ばされる。
森の木が近づいてくる。
手の届く範囲には折れた箒。
もう私は思考することができなくなってきた。

6/18/2024, 2:02:51 PM