小音葉

Open App

願い続けた終焉に、今更抗う愚か者
罵声にこそ背を押され、軽やかな跳躍を
そうして宙に体を投げ出したなら
因果の滓も届かぬ孤独な星へ
透き通るあなたを連れて、どうか消えないようにと
握り締めた手を、同じ強さで返す熱がある限り
恥じぬ強さと愛しさを
ただ一つ揺るがぬ証明の為、立ち上がれたのだろう

私は今、銀河の波間を漂う亡霊
軋む音色を口遊み、潰えぬ愛を想って揺蕩う魚
あなたを守る岩、あなたが守る花
誰もが黄金の粒子に溶けて旅立ってしまった
あなたもそう、遥か昔
ただ幸あれと願う、私だけを呪った微笑みで
残火の慟哭は今も焼き付いて
せめて私を憎んでくれたならどれほど良かったか
暗闇に身を浸しても尚、この身を焦がす天の瞳

ゆえに私は宙を行く
もはや惑わぬ愛の証明
それは呪いのようで、祈りのようで
永遠をも飲み込む覚悟で、私はあなたのみ望む
慈悲ではなく執着を
博愛ではなく偏愛を
船出の代償に、それ以外の全てを手放そう
光なき旅路は罰に非ず、即ち空劫のしじま
欠片からやがて大輪へ、私はあなたを取り戻す

いつか目覚めるあなたが失意の涙を流しても
宙より暗い海淵に沈んでも
分け合った熱の理由は色褪せないのだから

(どんなに離れていても)

4/26/2025, 11:03:04 AM