とある恋人たちの日常。

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 運転の練習は今日も続く。
 一度しっかりと彼から教えてもらった運転。
 
『ポイントとして三つあるけれど、まだ二つしか教えてないんだよね』
 
 初めて教えてもらった時に、そう言ってくれた。
 あの時はタイムリミットが来てしまったけれど、あの言葉を現実にできるように頑張るのは自分なのだ。
 
『なら、もっと上手になったら三つ目を教えてもらえますか?』
『もちろん、いいよ!』
『じゃあ……また?』
『うん、またね!』
 
 そう、笑ってくれた。
 私は、彼の笑顔がまた見たい。
 
 人通りの少ないところで練習をする。細かい動きにも神経を澄ませ集中して動かしていく。
 
「もっと上手になって、また教えてもらうんだ!」
 
 運転を教えてもらった時の時間は特別なものだった。
 苦しいことも、悲しいことも、鼓動が早くなる大切な気持ちも誤魔化して。それでも彼の笑顔が傍にあった。
 
 ドキドキしたけれど、そんな気持ちに自分が支配されたら、あの時間を無駄にしてしまう。だからあの時は自分の気持ちをしまって練習に集中した。
 
 集中、集中するんだ!
 
 もっともっと練習して、彼の笑顔を見るんだ。
 
『またね!』
 
 大好きな彼の笑顔を見るために、私は教えてもらったことを思い出しながら練習を続けた。
 
 次の練習の時には、上手くなったことを褒めてもらうんだ。
 
 
 
おわり
 
 
 
三一九、またね!

3/31/2025, 1:47:37 PM