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彼女は笑顔が素敵な人だった。

私が喜んでいる時は、嬉しそうな笑顔を。
私が辛い時は、労わるような笑顔を。
私が笑わせようとした時は、楽しそうな笑顔を。
いつも私に向けてくれた。

彼女にどれだけ救われたことか。どんな時でも笑顔を絶やさず、どんな時でも寄り添ってくれる彼女は、私の天使だった。

私が忙しくなるにつれ、彼女は別の友達と一緒にいることが多くなった。私はどうも、その人達とは気が合わなかった。しかしその人達は、私なんかよりずっとキラキラしていて、ずっと彼女に合っていた。

彼女は何度も私が1人で寂しくないか心配してくれた。私は「大丈夫だ」と虚勢を張った。しかし分かっていながらも、「捨てられてしまった」という思いと、彼女に合わない自分の暗さを呪う気持ちが混ざり合って、彼女との思い出の色は変わっていった。

そんな彼女の笑顔は今でも、真っ暗な私の心の中で、異様なほど眩しく輝いている。

2/18/2025, 4:42:09 AM