【誰もいない教室】
放課後の教室は、急に呼吸を止めたみたいに静かになる。
机と椅子が整列し、黒板には白い粉の跡。夕陽が窓から差し込み、床を長く染めていた。
ほんの少し前まで笑い声が渦を巻いていたのに、今は沈黙が濃い。
忘れ物を取りに来ただけのはずなのに、足が止まる。空いた席がひとつずつ、誰かの姿で満ちていく気がした。
風に揺れるカーテンが、残っている時間をそっとかき混ぜる。
暗さが増して輪郭が曖昧になっても、教室は黙って今日を抱え込んでいる。
最後に鳴った鍵の音が、放課後を締めくくった。
9/6/2025, 3:25:30 PM