肌寒さに目を覚ました。どうやら布団を蹴り飛ばしていたようだった。二十余年、人間を続けてきたにもかかわらず、子供のような悪癖はいまだに治りそうにない。だから、もぞもぞと冬仕様の布団に分けいってあと5分とのたまうのも仕方のないことである。そのうち、カーテンの隙間から朝日が差し込んで、温まった布団の中から同じように出てくるだろう自分は、きっと啓蟄のようだろう。穏やかな春を目指して、まどろむままに目を閉じた。
6/9/2023, 3:20:12 PM