big love(前編)
その日は唐突に訪れた。
私はいつものように朝起きると飼い猫「ギンタ」のもとへと朝の挨拶をしにベッドから出た。
キッチンでギンタを見つけて撫でるために近付く。
するとギンタが口から大量のヨダレを垂らしていることに気付いた。
私はそれを見て血の気が一気に引いていく感覚が襲ってきた。
急いで動物病院に連れて行くと、「もう1ヶ月も耐えられないかもしれない」と言われてしまった。
朝の様子から覚悟はしていたものの、改めて専門家の人に言われると胸が苦しくなった。
「1ヶ月間誰かが側に居てあげれるようにしよう」ということが家族で決まり、幸い母が専業主婦ということもあり、昼は母がそばに居て、夜は学校から帰ってくる私ということになった。
学校から帰ると毎日ギンタに薬をあげて、痛みが少しでも和らぐように撫でるという日々が続いた。
それから1ヶ月。
ギンタは医者が言った余命1ヶ月を乗り越え、さらには前よりも元気になっているように感じた。
嬉しく感じたが、ここで油断してはならないと思い、今までの1ヶ月と同じように薬をあげながら側に居てあげるようにした。
それからまた2ヶ月が経った。
元気になっていたのも束の間、定期的に薬をあげていたもののギンタは段々と弱ってしまい、ついには歩くときもフラフラとするようになってしまった。
食べ物も上手く喉を通さなくなってしまい、大好物だったおやつすら少し食べて辞めてしまうというようになって、段々と身体が痩せ細っていった。
4/23/2025, 3:44:36 AM