川柳えむ

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 君に出会ったあの日から、僕の胸の鼓動は高鳴りっぱなしだ。
 君と話して、君とデートに漕ぎ着けて、君に告白して、鼓動はうるさいほどに鳴り続けている。
 この胸の鼓動は、君と幸せでいることの証。

 ――ドクン、ドクン……。

 このうるさいほどの胸の鼓動。きっといつまでも鳴り止まない。

「――!」

 遠くから僕の名を呼ぶ、君の声が聞こえた。

「息を吹き返しました!」

 目を開くと、白い服を着た知らない人達が僕を取り囲んでいた。
 少し奥の方から、君が飛び出てきた。

「良かった! 生きてて良かった!」

 その言葉で記憶が甦った。僕は事故に遭ったのだ。

 僕のことを想っていてくれた君を想うと、鼓動は更に早くなる。
 君がいる。それだけで、僕は生きていける。
 大丈夫。君さえいれば、胸の鼓動が鳴り止むことはないんだ。


『胸の鼓動』

9/8/2023, 10:27:43 PM