冬至。

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死ぬなよ。
最後に冗談混じりで交わしたその言葉。

恋人として情熱的に過ごした去年の夏。
演技ではあったけど、ずっと続けばいいと思ってた。願ってた。
四六時中そばに居て見下ろせばそこに笑った顔があって。
何度も交わした虚構のキス。戯れ。
それが本当であれと願う毎日。
終わりに近付くその日が怖くて偽るようにお互いに笑った。
日々に疲れて縋ってただけかもしれない。
役にのめり込んでただけかもしれない。
もう会えないかもしれない最後の夜。
「俺たち、付き合おう」
いつものノリで笑いながらの問いに。
「役に引きずられてるだけだよ」
目を伏せる君。
お互いに同じ気持ちでいると思ったのに自分だけが取り残された。
何かに怯えるように体を震わせながら耐えてる君に何も言えなくなった。
過去に辛い思いをしてその生を終わらせようとした事がある君。
「何かあったら連絡して」
もう側で見守ることは出来ないけど。
これだけは約束して。

「死ぬなよ」

ずっと見守ってる。好きなんだ。



               (ささやかな約束)

11/14/2025, 4:32:29 PM