いつもの時間に演奏者くんが見当たらなかったから、もしかして偉い人に捕まってしまったのかと慌ててしまった。
でも、彼が住んでる家の扉を開いたら、机に突っ伏して寝てる姿を発見してしまった。
「なんだ……」
良かった、なんて気持ちが湧き上がり、起こそうとしたけれど、ボクはふと手を止めた。
肩を揺さぶろうとした手を止めて、代わりに優しく頭を撫でる。
寝てるってことは疲れてるのかもしれないから、無理に起こすのは良くないのかもしれない。
だから、目が覚めるまでボクが隣で見張ってあげようとそう思った。偉い人たちに演奏者くんが奪われてしまうことがないように。
8/3/2024, 3:00:48 PM